081 ばね指手術始末記 ②切る
「麻酔しますよー」
いよいよくる…、負けねーぞ、かかってこい!
そんな感じで気合を入れて待っていると…
ずぶっ
ふー!
ぎゅゅゅゆゆゆゅゅ
ふー、ふー
思っていたよりも、はっきりと感覚が伝わってきます。
しかし、見えていないので一体、今なにが行われているのかさっぱり分かりません。なので、この先は、私が感じたままに伝えますね…
ぐいぐい ぐいーん
ぐっぐっぐっ
ぐいーん びん びん
ぐっぐっぐっ
びゅいん ぎゅぃーん
びゅよよんん びゅよよんん
ぎゅゅゅゆゆゆゅゅ
ぎゅゅゅゆゆゆゅゅ
「あとは縫って終わりですよ。」
にゅーん びゅっびゅっ
にゅにゅーん びゅっびゅっ
「はい、終わりです」という言葉もないままに気付くと後片付けに入っていました。
最後にドラえもんの手のように、丸くぐるぐる巻に包帯をして終了しました。
麻酔注射を打ち始めてから、8分間で終わりました。プロ集団の手際の良さとスピード感に感服しまくりだったのです。
手術後、真ん丸にされた手を見ながら…
『ちょこっと切っただけなのに、こんなにぐるぐる巻にするなんて、先生はよっぽど心配性なんですね(フフフ)』
そんな風に、ほのぼのと思いました。頭の中がお気楽だったので、ぐるぐる巻きにする訳に、私は気付くことができず、後々ちょこっと後悔することになりました(笑)
手術室の扉が開くと、そこには…
次の患者さん
えっ、休憩無しで、すぐやるんだ…
と驚いていると、看護師さんの明るい声が…
次は左、左手でーす♪
……。
凄いですね、先生、そして皆さん。
ただただ感服致しました。
皆さん、本当にありがとうございました。
手術室を出て、時計を見ました。手術室に入ってから、20分が経っていました。